青年の思索のために。
☆3 自作曲 「オンリー」を作った背景 後編 (エヴァンゲリオンを観て思ったこと) |
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『人は、自問自答しなくなると堕落する』
現代社会はやったもん勝ちの世の中。
悪さをしても、開き直って強く出れば、世間の非難はいつの間にか鎮火してしまう。
お金をたくさんたくさん持っている人に対しては、そもそも誰も文句は言わない。
自分勝手なことばかりやったって、
自分さえ良ければイイヨ、てなことだって平気でまかり通ってしまうんだよな。
どうしてこんな風になっちゃったのかな?
それを解くヒントが「エヴァンゲリオン」という作品にあった。
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主人公のシンジという少年は、事あるごとに自問自答を繰り返す。
自分という存在は何なのか。
自分は何を追い求めているのか。
自分は何故そういう行為をしてしまったのか、などなど彼は悩む。。
自分を分析する。 自分で。
…これは「哲学」だ。
そう、ソクラテスやプラトン、ニーチェやサルトルなどの賢人達の「哲学」と同じだ。
このドラマは、主人公のシンジの思索を中心にすえた「哲学概論」だったわけだ。
そして、哲学者・シンジは、作中で一番マトモだ。
つまり、世の中の趨勢(すうせい)を握るくらいの重要なポストにいる人間達の中で、一番マトモだった。
対して作中の「他の大人たち」や、それに信念なく追随する下部の者達は、けっこう自分勝手な奴に描かれている。
そんな中で、なぜシンジだけがまともでいられたのか。
それは「哲学者」だったからではないか。
作品の脚本を書いていた方々は哲学に造詣があるようだ。
それだけに「哲学者シンジ」に不遜(ふそん)な行動をさせることは、できなくなってしまったのだろう。
このことは。
TV版のラスト二話で、その視点が濃厚に打ち出されていたことからも窺える。
(でも、娯楽作品としての視点でラストを終結して欲しかったのが本音)
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現実社会に戻って。
先日ロシアで、68億円で「裸婦の絵」が売れたらしい。
クラシックの価値あるモノでなく、まだ生存しているビッグネームでもない画家の、普通の作品だ。
別に覚せい剤が仕込まれていたわけではない。
68億円もあれば、困窮にあえぐ庶民の一万人は救済できる大金だ。
68億円もの大金を払って「絵」を買っても平気な、X氏。
それを売って大喜びの画商Y'氏と、画家のY''氏。
あがりに目をつける高級ブランド販売店のZ氏。
上記のX・Y・Zは、自問自答する人間だったのだろうか?
若い頃、自分自身を深く問い詰め自己の行動に深く思い悩んだりしていただろうか?
(自分探しの旅をしたのか?)
"何のために自分はこんなことをするのかなあ"
"こんなことをやる自分っていったい何なのかなあ"、と。
…そんなことは決してしまい。
無論、大人になった現在だって一瞬たりとも自問自答などはしないだろう。
X・Y・Zに「哲学」があったなら、そんな行為はできないはずだからだ。
かような例から分かるように、現代社会は「哲学欠乏社会」なのだ。
哲学がないから、ギスギスした世の中になってしまっているといって間違いなかろう。
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私は、哲学なんてもんは現実社会で不要なものだ、と思っていた。
哲学者?なにをモンモンと思い悩んでるんだ。
そんな思索してる暇があったらもっと活動しろよ、とか思っていた。
ところがどっこい。
「自分自身を考えること」は人間としての根幹なんだなあ、と気付かせてくれた。
哲学がない人間は上記のX・Y・Zのような虫ケラ共になってしまう。
「自分の事だけ」しか考えない人。
それは、「自問自答をしない人」だ、ということが判明した。
世の中を動かしているみなさん。
為政者、お金持ち、マスコミ人。
ゴルフなんかしてるヒマがあったら、しっかり深く自問自答してください。
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最近、「食肉偽装」やら「生産地偽りウナギ」などの事件が相次いでいる。
(20080714現在)
おそらくこれらも上記『哲学』の不足で説明できる。
大変申し訳ないが、食肉を扱うような人々は「文化無き戦闘民族」ならぬ、
「哲学無き、儲けオンリー人間達」といえるからだ。
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おまけ(^^ゞ
今さらだけど、新世紀エヴァンゲリオン、面白かった。
評判になるのが分かりますな。
見る前から、綾波レイという名前だけ知っていたのはなぜ?
○演出の上手さ
BGMの選択、音楽と画像とのシンクロ
○細部に手抜きのないアニメ作画
デザイン、設定
○声優のうまさ
アニメを生かすのは声優だ、というのが改めて分かった
マシン(機械)と、ヒューマン(人間)との融合、というテーマは
将来現実味を帯びてくるテーマかもしれないですね。
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