青年の思索のために。
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「消費税率16%に引き上げを」 同友会、10年代中ごろに
経済同友会は23日、2010年代中ごろに消費税率を現行の5%から16%程度に引き上げるよう求める提言を発表した。 企業の国際競争力強化のため、地方税の法人事業税を廃止するとともに、法人税の実効税率を現行の40%弱から35%程度に引き下げるよう求めた。
(3月24日配信 共同通信)
このニュースには驚いた。
現代の経済界トップに君臨するような人々は、やはり最強の「オンリー人間」タイプ(自分勝手な人)だというのがよくわかった。
なんてったって、税率16%だ。
しかも、自分達の負担する税金はゼロにするか、減らせ、ときたもんだ。
それにしても、ここまで破廉恥な提言が出来るとは。。
まったく、自分達のことしか考えていない究極見本である。
しかも提言内容をよく読むと、この主張には呆れてしまうほど、自分達に有利な理由付けばかりの羅列が目立つ。
ひと昔前の経済人は、一応自らで自らを縛る規範意識があった。それが尊重された。
しかし最近の経済人達は、「自己抑制しないで何でもあり、やったもん勝ち」の傾向がある。
結局、同友会は、「法人税減らせ、その代わりは消費税から取れ」、と言っているわけだ。
そう、法人のために個人は犠牲にしても構わないぜ。個人は我慢しろよ、と言っている訳だ。
つくづく「国際競争力」という言葉は、魔法の言葉だと思う。
これは一見、法人が幸せになれば、法人関係者全員に恩恵がもたらされ、ひいては国益になるように見える。
だが、そんなことは決してない。
取締役などの一部の人間達だけが、またまた儲かるだけのことだ。
間違いない。
それにしても、どうなんだろう?
確かに、例えばトヨタとか日立とかが国際的に認知されて 製品が良くできている、と他国の人々から尊敬されるのは嬉しいけど、国際競争で負けると我々にどんな不具合が生じるのだろうか?
例えば、英国はかつての繁栄から見れば今は停滞気味で国際競争力という点では劣っていると評価されうる。しかし、英国人自体には、何ら不都合は生じていないだろう。
この点については勉強不足なんでよく解らないが、「経済において国際競争に負けると大変な不都合・不利益が生じますよ」、と喧伝して煽っているだけのような気がする。
もちろん、今よりミジメな思いをするのは間違いないとは思うけど、一般庶民には壊滅的なダメージというほどのダメージは、ないような気がする。
トヨタ車が世界で売れなくなると、日本の庶民はもっと貧乏になるのか?
そんなことはないだろう。
現在の国際競争力保持のために、我々はかなりの代償を、今でも払っているのだから。
仮に国際競争力が低下して、法人税収が減ったとしても、歳入が逼迫(ひっぱく)すればそれなりに財政をやりくりして頑張るはずだ。
そんな状態になれば、ようやく、無駄なダムや道路や地下鉄を造らないようにしよう、とか、
取締役・役員の数を減らし、給料も下げよう、
とかいう機運にもなるかもしれない。
もっとも、政治や社会生活において、日本国民としての意思決定が阻害されるような他国からの介入は、絶対に防止しなければならない。
これは間違いない。
例えば、銀行の資本に他国からの介入を許すべきでないし、土地の取得・経済取引とかに関しても、外国人には日本人とは違う規制をする強い必要性はある。
なぜなら、いざとなったら「ハイサヨナラ」で逃げられたら困るからである。
外国人は逃げるところがある。だから、日本国民として一蓮托生してもらえない人々には政治・社会生活の取り決めは任せられないのは当然である。
しかし、外国との関係に関しては、それ以上のことなんか不要なんじゃないかな?
国際競争力で負けたっていいんじゃないかな。
一定程度あれば、必要以上に国際競争力なんてなくてもいいんじゃないか、と思うがいかがだろうか。
上記ニュースに対して、各種マスコミの大反撃はない。
軽く私が調べたところ、京都新聞・山梨日日新聞位が批判的な感じだが、大新聞やテレビ系メディアは反応が鈍いようだ。
それはそうだろう。マスコミは「法人」の代表なんだから。
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百歩譲って。
消費税を大増税するとしても。
その前にやれることがもっとあるはずだ。
大増税は、それをやったあとで議論されるべきものだと考える。
すなわち、
★小規模店舗が消費税として預かった「金銭の横領行為」の違法性を阻却する法体系の見直し。これは絶対に回避してはならない。
あとは、
★一般的消費税率アップの前に「付加価値税」の導入を先行させること、だ。
二番目の★の付加価値税とは、いわゆる「ぜいたく税」のことである。
これは高額商品に対して、特別に税金をかけるシステムの総称である。
以下、これを中心に述べる。
諸外国は消費税率が日本より高いところが多いが、この「ぜいたく税」とセットで運用されているケースがほとんどである。
さらに、日用消費物品には消費税を賦課しないか、低率にするなどの運用が図られている。
税の賦課徴収は、絶対的な形式的平等であってはならない。
相対的な平等であるべきである。
なおかつ、実質的に平等が計られなければならない。
わかり易く説明させていただきますと、、
(絶対的・形式的平等)
1000万円収入がある人に → 100万円の税を掛ける。
100万円収入がある人にも → 100万円の税を掛ける。×
(相対的・形式的平等)
1000万円収入がある人に → 100万円の税を掛ける。
100万円収入がある人には → 10万円の税を掛ける。△
(相対的・実質的平等)
1000万円収入がある人に → 200万円の税を掛ける。
100万円収入がある人には → 5万円の税を掛ける。◎
、、ということです。
とすると、諸外国の税金の賦課徴収の仕方こそが真の「平等」の理念に適っているといえよう。
すなわち世間で言われている、現行の「消費税は平等だ」という論調は、一種のまやかしなのである。
知識人やマスコミが言っているからといって、騙されてはならない。
では実質的平等について、例えば中国の例をみてみよう。
違法コピーや模倣品天国、かつ役人の収賄があとを絶たないと指摘され、規範意識が鈍磨していると噂される、かの国ですら、上記の付加価値税が導入されている。
一例を申し上げると、日本で販売している「ホンダ・レジェンド」という車がある。
これはホンダの最高級車である。525万円。
これが中国では、高額乗用車ゆえに輸入関税が25%かけられ、消費税にあわせ、上記の高額商品に対する付加価値税に相当する増値税17%がかかることにより、販売価格は68万元となる。
日本円にして、1006万円になるそうだ。
これが中国の富裕層に大人気なのだそうだ。年間数万台売れる見込みらしい。
ちなみに、トヨタの最上級車レクサスLSは、同種の税金により、1550万円。(日本では、770万円)。これまた、ベンツ以上のステータスで超金持ちがホイホイ買うとのこと。
(car and driver誌20061126号39p.参照)
つまり、お金持ちは欲しければ「買うのである」。
いくら高くても。
ブランドとして価値があれば。
こういう方々から、まず、税金を負担していただくのが実質平等の理念にかなうという考えは、間違ってるとはいえないだろう。
お金持ちの心情は、中国も日本も変わらない。
このように、レジェンドやLS一台分で、いったい何人の庶民が救われるだろうか?
これは車だけに限らない。
洋服、バッグ、宝飾類、飲食代、宿泊代、などすべての高額商品に日本でも付加価値税が導入されれば、一般的消費税の率をアップさせる必要なんかなくなるはずなのだ。
いや、一般的消費税率を現状維持すべく、納税者、高額商品の課税物件、課税標準の範囲を取り決め、付加価値税率を計算するべきだ。
ここで大事なのは、特例を設けないということである。
ここでこそ登場してこなければならないのは 上記の絶対的平等の理念である。
しかし、日本では全くこの手の「高額商品に付加価値税を」、の論議がなされない。
なぜだろう?
それは、税金の論議や調整に携わり、具体的な指示を出し、税務関連の役人に実行をさせているのは、結局お金持ちばかりだからである。
しかも、お金持ちサイドには強力な押しの強いブレーンが存在するのに対して、庶民サイドにいるブレーンや有力者は、stupid(心広き愛すべき人)ばかり、だからとても弱い。
政党もお金が欲しいから、お金持ちの思い通りに動く。だからもはや選挙での改善は期待できない。
マスコミも同じ。しかも最近のマスメディアはそれ自体がお金持ち集団と化している。したがってマスコミも期待できない。
因みに、テレビキャスターの年収はフリーになると35歳で、平均一億円が相場だそうだ。
(2007/4/24放映、tvkテレビ「たかじん胸いっぱい」より)
さらに労働者による団結による対抗運動も期待できない。
なぜなら、労働組合は政党との結びつきが薄弱化しているうえ、団体内部でも個人個人の要求が多岐にわたるようになり統一的な意思形成がかなり難しい情況になっているからである。
こうなってくると庶民に出来ることは、「不買運動」くらいしかないだろう。
例えば、経団連の今の会長はキャノン出身だから、経団連の提言が気に食わない時はキャノンを買わないとか。
これが独断で突っ走る企業には一番怖いはずだ。
そしてこれが、自分の事しか考えない企業に対する唯一の歯止めになるのではないだろうか?
そのためには、私達庶民はもっともっと情報に鋭くなる必要がある。
情報をしっかり分析する必要がある。
そろそろ「不買運動リストの会社」サイトなどを立ち上げて対抗しなければならない時期なのかもしれない。やむを得ない。。
あと、私達庶民は、広告にホイホイ乗らないようにすべきである。
広告なんかイメージにすぎない。
お金がある企業が結局勝つだけなのだから。
だから、例えば成分が同じものならば広告で聞いたことがない会社の商品を買う、などとすべきである。
かえってデカデカと無意味なイメージ広告を出す会社は、白眼視すべきだ。
先日、新聞の全面広告に、ある派遣会社の意味不明なイメージ広告が四日も連続で掲載されていたが、こんな会社は却ってウサンくさい、と考えるべきだ。
あと、この際ついでに言わせていただくと、電力会社やガス会社なんかのイメージ広告なんか必要だろうか?だってその地域に住んでいたらガスや電力は選べないんですよ?
その分電気料金を安くするとか、検針員の給料を大幅に上げるとかできないのか、とか考えてしまう。
あとは、無駄に広告バンバン出しまくりの民放テレビ番組を見ないようにすることか。
これも一種の不買運動につながる。
いま民放で見る価値があるドラマは「セクシーボイス アンド ロボ」くらいだ?
2007/4/26現在
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私は、経済同友会の提言を聞いていたら、うすら寒くなってきた。
なんて冷たい提言なんだろうか。
なぜ、同じ日本に住んでいて、自分達以外の日本人の事を思いやれないのだろうか?
なぜ自分達さえ幸せになればいいのだろうか?
なぜ自分達の利益しか考えられないのか?
私が記者なら、彼らにそれらをしつこくインタビューしてみたいものだ。
そして、分析してみたい。
そういう人達の生きてきた人生、彼らの好きなものや、嫌いなものに共通性があるのか、等々。
さらには、その様々な情報を抽出してプロファイリングし、なぜそういう考えの持ち主になってしまったのか、科学的に研究してみたいものだ。
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